UI/UX大事だけど、やっぱりあくまでも基本はコンテンツ is kingだよねという話

これはなにか

先週、仕事をしている中でふと、サービスがお客さまに選ばれるにあたって、なにが価値の本丸かを考えるきっかけがあり、そのときにできた整理をポエムにする。

やっぱりコンテンツ is kingだよね

サービスを提供するにあたって、なにが価値の本丸なのかなぁ、ということを考えていたところ、「コンテンツ is king」というのがやっぱり価値の本丸だよなあという結論にいたった。

あまのじゃくなので、バズワードっぽいものが出ると、それほんとに大事かよと斜に構えたスタンスで点検するクセがあるので(ほかにもシェアリングエコノミー、安易なXaaS、なんでもAIなどが嫌い)、UI/UXこそが重要!みたいな論調についても本当にそうかねえ、と思ってきていた。

UI/UXも大事だけど…

考えを巡らせていくと、なるほど体験は大事そう。そしてその体験を構成する要素のひとつとして、UIも大切そうである、という考えに至っていた。しかし、モバイルsuicaに想いを馳せたり、体験が悪くともオンリーワンだったり価値がダントツだと、どんな不便も乗り越えてしまうことを考えると、コンテンツが一番なんじゃないかなと思っている。

いかに、「選んでもらえる価値の高いコンテンツを取り揃えられるか」が一番重要。

では、UI/UXに価値がないのかというと、そんな安直な二項対立で語るつもりはないし、後述するが、いまの主戦場は体験だと思う。ただ、「サービスをお客さまに選んでもらう」という観点において、一番重要なのは何かと問われると、それはコンテンツなのである。

その「コンテンツ」ってなに?

この「コンテンツ」は「商品」のことを指しており、サービスの形態ごとにいろいろな要素に読み替えることができる。たとえば、記事メディアであれば、記事そのものだし、ECであれば商品そのもの、マッチングサービスであれば、マッチ先がコンテンツと言えるだろう。この読み替えで重要なのは、サービスが提供している価値ではなく、お客さまがサービスに訪れる目的の対象物だ、ということである。

アンチパターンを掲げる。AとBのマッチングサービスを提供している場合、Aがサービスに求めることは「高度なマッチングの機能」ではなく、「良質なB」なのである。ここで、「うちの商材は高度なAIドリブンのマッチングアルゴリズムだ!」とか声高に叫ぶとコケる。

理由はシンプルで、お客さまは「高度なAIドリブンのマッチングアルゴリズム」なんてものは求めてないからだ。

※もちろん、良質なBとマッチできそうという期待を煽る、マーケティングの謳い文句として「高度なAIドリブンのマッチングアルゴリズム」は効きうる

じゃあなんでUI/UXってこんなに言われるの

このコンテンツがコモディティ(一般化したため差別化が困難となった製品やサービス)で差別化要素や希少性がなければ、価格競争になる。安ければ安い方が選ばれる。

そして、価格ですら勝負がつかない無料コンテンツや、受益者無負担/低負担モデルであれば、体験や使い勝手といったUI/UX的な要素が勝負どころになるのでは、と考えている。さらにいうと、それでも勝負がつかないようなマーケットはいかに魅力的な露出を増やして、トラフィックを集めるかというマーケティング勝負になる気もする。

たとえば、無料で読める記事メディアを運営するとして、自費で調査報道をして、良質な記事をかければ別だが、誰でも書けるような記事を量産するメディアであれば、キュレーションや編集でいつでも自分にあった記事がそこにあるという「体験」を作ることで勝負、ないしはSNSでの露出を増やしてアクセスを取るマーケ勝負になるのでは。

たとえば、どこで買っても同じであるメーカーの商品を買う場合、ググってとにかく安い商品を探さないだろうか。そういった商品を扱うECは、経済合理性が第一の戦場になるので、ポイント還元等で経済合理で戦う。第二の戦場として探しやすさなどの体験が重要になる。
これらの戦場はグラデーションで交じるので、パキっと「経済合理性で勝てないからUI/UXで勝負」と分かれるわけではなく、両面バリすることになる。

例示が長くなりすぎたが、まずコンテンツの強さ、次に経済性、その次に体験と、いう順番で戦場が変わる、のではないかと思う。

背景としては、スマホが広まって、各種プラットフォームができて、これまでは有料だったコンテンツがなんでもかんでも無料で提供・代替されるようにオンライン・オフラインのサービスが変わってきていて、その結果として、主戦場がUI/UXに移ってきているんじゃないかなぁと思っている。

まとめると

そんなUI/UXが主戦場になった昨今だとしても、それでも強いコンテンツを調達することができれば、経済合理性や体験の悪さなぞ吹き飛ばせるんだろうなと思う。

自社のサービスや製品の構造を考えて、どこが勝負どころか見極め、極力強いコンテンツを調達する仕組み・座組・組織体制を作るのが、選ばれるサービスを作る本丸だと思うので、今日も明日も精進します。

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