PMに必要な13の能力とフェーズ別の重要度

これはなにか

これはPMの能力として重要だが定義が曖昧な、PMの能力を類型化して整理したものである。

過去に、採用や能力開発の相談を通じて「PMに必要な能力とは何か」について考える機会がたびたびあり、まとめてあったものを、再編集した。
検討が甘い部分はあるが、PMの採用に携わる方、能力開発を考えている方、またはこれからPMを目指す方に、少しでも役立つと嬉しい。

本記事で取り扱うスコープ

本記事では、なるべく具体的でテクニカルな部分に着目してリストアップしている。

ソフトスキルやマネジメントスキルは職種を通じてある程度共通する要素であるため、本記事のスコープ外とする。
個人的には、テクニカルなスキルよりもソフトスキルのほうが重要な局面が多いと考えるが、それはまた別の機会で扱おうと思う。

具体的な能力

具体的な能力については下記13の能力を4つの枠組みで整理したい。

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※チャートのスケールはイメージです

調査・分析系

  • 1)課題発見力
  • 2)分解・分析力
  • 3) ユーザー調査力

着想・発想系

  • 4)解決提案力
  • 5)他社サービス把握力
  • 6)技術トレンド把握力

ビジネス・折衝系

  • 7)外部交渉力
  • 8)PL設計力

計画・実行系

  • 9)戦略立案力
  • 10)開発プロセス・技術理解力
  • 11)プロジェクト管理力
  • 12)調整力
  • 13)執着力

上図は、これらの能力を、「企画における5つのフェーズ」の各フェーズごとに重要度でマッピングしたものである。

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以下、各系統別に能力を詳述する。

調査・分析系

ここで取り扱う能力は『1. 課題の選択』や『5. 価値の検証』のフェーズで必要となることが多い。

この系統には下記の能力が属する。

1)課題発見力

  • 量的・質的情報から課題を発見する力
  • データを見て課題を発見できる力
  • ユーザビリティテストからの課題発見できる力も含む

2)分解・分析力

  • 発見した課題を解決できるサイズのイシューまで分解する力
  • 分析を行う上での軸の整理や比較対象の整理ができる力

3) ユーザー調査力

  • インサイトを引き出す力

着想・発想系

ここで取り扱う能力は『2. 解法の選択』『3. 製品の実装』『4. 製品の伝達』のフェーズで必要となることが多い。

この系統には下記の能力が属する。

4)解決提案力

  • 課題に対して論理的に解決案を出せる力
  • アイデア力も含む

5)他社サービス把握力

  • 他社のサービスの施策や事例からケーススタディを導き出す力

6)技術トレンド把握力

  • 業界の技術トレンドを把握し、自社・自プロダクトが進むべき方向に取り入れる力

ビジネス・折衝系

ここで取り扱う能力は『2. 解法の選択』のフェーズで必要となることが多い。

この系統には下記の能力が属する。

7)外部交渉力

  • 外部パートナーとの交渉を適切に進める力

8)PL設計力

  • ユニットエコノミクスが成立するように事業の収支を設計できる力

計画・実行系

ここで取り扱う能力は『3. 製品の実装』『4. 製品の伝達』のフェーズで必要となることが多い。

この系統には下記の能力が属する。

9)戦略立案力

  • 自社・競合の状況、時系列、トレンドなど複数の情報をもとに、勝ち筋を描き、目標達成のための計画を立てる力

10)開発プロセス・技術理解力

  • デザインを含む広義の開発・技術に関する理解の度合い

11)プロジェクト管理力

  • プロジェクトリスクの洗い出しと対処を行い、予定通りプロジェクトを進める力

12)調整力

  • 組織やチームの中で達成に必要な調整をやりきる力
  • リソース調整や優先度調整などコミュニケーションを必要とする複雑な調整が対象

13)執着力

  • 目標達成に対して粘り強く取り組む力
  • 計画頓挫時のリカバリープランを素早く立て、実行できるかも含む

まとめ

以上、PMに必要な13の能力と企画フェーズごとの重要度をまとめた。

企画のフェーズによって、PMが駆使する能力は異なっており、PMはフェーズごとに役回り立ち回りを変えながらプロジェクトを進めていく必要がある。
一部の能力が他職種によってカバーされているチームの場合や、必要な能力が自身に足りない場合は、他者の協力を得ることで能力を補完し、ミッションを完遂していくことが求められる。