「人の意図は人に伝わらない」という原則

普段はそれなりに時間を掛けてかっちり目の文章をブログに書いていますが、noteでは「ブログにポストするまでの品質に満たない、ふわっとポエムを雑に投稿する場」と決めているので2-30分で書き下した雑ポストを投げます。
※注)本ポストはnoteから移植されました

移譲型のスタイルにおける要点

自分の基本的なスタイルは旗を立てて、あとは担当者におまかせするスタイルが多い。要点の見極めだけは絶対に譲らず、要点を決めて重要なところだけを握ったらあとは担当者におまかせでいくことが多い。この手法の成否を分けるのはゴールイメージの伝達、すり合わせである。

ゴールイメージの伝達、すり合わせ。言い換えると、期待値の適切な伝達と言っても良いかも知れない。

ゴールイメージのすり合わせとはなにか

これらのワードが指す意味はさして変わらない。読み手がイメージしやすいほうでそれぞれ読み替えてもらって構わない。

依頼元から委任先へ仕事を任せるとき、それがどういった状態になるとゴールなのか、という定義・イメージが依頼元と委任先の間で明確になっていて、お互いにズレたイメージを持っていないことを確かめねばならない。これを怠ると、100%の完成と委任先が思った結果が、依頼元のイメージと方向性・程度の両面でズレる可能性がある。そのベクトルじゃない、というのと、そのレベルじゃない、というやつである。

依頼元はこの伝達を雑にしてはいけないし、委任先はここが曖昧なまま、仕事を引き受けてはいけない。お互い事故の元である。

「ふんわり依頼」の輪郭を削り出す

まずは委託先の立場で考える。

依頼元がふんわり依頼してくることは往々にしてある。抽象レイヤーから整理したり、論点の整理から依頼したい場合である。この種の業務は依頼先にとっても抜本的な変更や骨子の部分から携われるため、エキサイティングなことが多い。その一方で、ふんわりした依頼であるがゆえにゴールイメージのすり合わせを怠ると事故につながる。

処方箋としては、依頼元へ確認することだ。ゴールイメージはなにか、依頼元が明確なイメージを持ててなさそうなときは質問して考えさせるというのも手段の一つだ。本来、はっきりしたイメージを持って依頼元は伝えるべきだが、べき論を唱えて正論を振り回しても仕事は前に進まない。そのために、委託先としては具体イメージをぶつけて、その輪郭をはっきりさせていくことで事故を防ぐのが大事だ。

「伝えた」は伝える側の怠慢

一方、依頼元としては、「伝達」に注意したい。

「人の意図は人に伝わらない」という原則を理解して進めたほうが良い。基本的にコミュニケーションにおいて100%伝わることなど無い。良くて60%だ。

「伝えた」は伝える側の怠慢である。
伝える側が担保するのは「伝える」という実行の担保じゃなく、「伝わった」という状態の担保である。

では、どうやってこの「伝わった」状態を作るのか。ここでも「確認」と「塗り重ねる」ことが大切になる。
前述の通り、コミュニケーションは伝わらないものなので、とにかく回数を重ねる必要がある。

仮に60%が伝わったとして、初回の伝達度は60%である。二回目の伝達を行うと、残り40%に60%を掛けた24%の差が埋まる。ここで合計の伝達度が84%になる。そして三回目の伝達を行い、残16%の60%の9.6%の理解が進んだ結果ようやく、93.6%に達して理解度が9割を超えてくる。三回行ってようやく、といった具合である。

しかも1回1回のコミュニケーションの成績が良くて、これである。加えて現実には、初回と二回目、二回目と三回目の間で時間が空く。すると人間は忘却する。
忘却曲線をひくと、1時間後には56%が失われ、1日後には66%が忘れられるらしい。そのことを考えると、実際は三回の伝達で9割を超える伝達度は望むべくもない。

さらに、その一回一回の伝わった内容が正しく伝わっているかもあやしい。よって毎回の伝達ではなにが伝わったのか、伝わった内容はなにかを都度確認することも必須である。

手間も暇もかける

お互いに手間も工数もかかる作業だが、このような伝達を怠ると、チームとしての力が弱るし、なによりお互いの仕事がうまく進まない。

依頼元は伝わったかを確認しながら何回も重ねて伝達を行い、委託先はイメージする内容が依頼元のイメージと擦り合うかを確認しながらコミュニケーションを進めていかないといけない。

ところで、この内容は正しく「伝わった」のだろうか。それだけが気がかりである

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