企画の議論が噛み合わなくなる4つの要因

これはなにか

企画会議などで施策の議論を行う際に、議論が噛み合わないことの要因を4つにまとめたものである。

上長、メンバー、メンター、メンティー、同僚、他部署など、バックグラウンドや立場が異なる人と議論をする際に「なぜそういう結論になるのか?」「そうですね…(話が全然伝わらない)」といったような議論が噛み合わない瞬間が発生しうる。そういった状況の背景に、なにが潜んでいるかを分解した。

PMという職種は他職種に比べて、業務に占めるコミュニケーションの割合が多くなる。この分解が今後の議論に役立てば幸いだ。

議論が噛み合わなくなる4つの要因

『議論が噛み合わない』とはなにか

通常、議論は参加者の主張から始まり、反駁を通じて論理を積み上げて、最終的にひとつの結論にたどり着く、という形で終了する。

ところが、論理的に積み上げていっても、収束せずに、お互いの主張が平行線のままで、結論に到達しないケースがある。
そのような場合、どちらか妥協をするか、次回の議題として解決しないまま終了をするということになる。

議論が噛み合わない要因

論理的な思考能力を持ち合わせているはずの、大の大人が複数人もあつまって、なぜこのような結末になるのか。

それは下記の4つの要因のどれか、ないしは複数が、その議論に当てはまっているからである。

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今回は、議論が噛み合わなくなる要因を、『議論を開始する前後』x『知識・理解』という2軸をもとに、下記の4つに分類した。

  • 前提条件の違い
  • 事例知識の違い
  • 立場・目線の違い
  • 解釈の違い

以降、議論のすれ違いを生む、4つの違いについて詳述する。

前提条件の違い

議論の前提となる基礎情報を指す。

例えば、機能開発の議論であれば、解決すべき課題や、当該プロジェクトに掛けることができる期間や、投資できるコストなどがこれに当たる。

議論を始める前から決まっているものであり、議論の出発点、土台であるため、議論を始める前にすり合わせておきたい要素である。

事例知識の違い

過去事例や競合事例などの知識の量の差を指す。

これらの知識に差があると、事例知識の乏しい側から見たときに、議論の途中で論理の飛躍があるように感じられることがある。

議論の途中で、隠れた前提として、類似するケースや事例を前提・参考に議論が展開される場合に起こりやすい。

このケースを防ぐには、相手の中での成功体験や、よく使うフレームワークなどを理解することが肝要だ。

立場の違い

立場が違うことで、同じ事象を見ていても注目している要素が異なる場合がある。

例えば、担当者レベルでは会員登録数を見ているが、上長レベルではLTVを重視していて、結局はLTVによった議論が展開される場合などである。

このケースを防ぐには、すり合わせた前提以外にも別の論点が含まれていると感じた時点で、重要論点の整理を行うことが必要である。

解釈の違い

解釈の違いとは、事象の捉えかたの違いを指している。

同じ事象や数値を見ていても、人によって解釈に差が出てくる。

具体的には、ある数値を見たときに、その数値を大きいと見るか、小さいと見るかという違いや、複数のKPI間の重要度に関する見解の差などを指す。

「解釈の違い」以外3つの要因では、「議論の開始前」であるか「知識ベース」であったため、事前の対処ないしは、知識量の増加で対応できた。

しかし、この「解釈の違い」については、物の見方の違いであるため、双方のチューニングが合うまで、どこまでも平行線になる

※「価値観の違い」や「宗派の違い」とも言い換えることができる

双方のチューニングが合っていない状態においての議論は、最終的に「キメの問題」として処理されるか、お互いの違いを認め、どちらかの歩み寄りによって結論づくことが多く、短期的な解決は難しい。

まとめ

議論が噛み合わない場合は、大抵この4つのに当てはまっている場合がほとんどである。

建設的な議論を行うためには、「解釈の違い」以外の項目について極力事前に差分がなくなるように努めることが重要である。

一方で「解釈の違い」だけが議論の噛み合わなさの原因と言い切れるまで、議論を煮詰めることができていれば、最後はキメの問題として議論を進展させ、意思決定を行うことができるだろう。